100年続く大衆食堂でランチ 富士食堂@茨城県水戸市 [ 茨城県]
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水戸に仕事に行ったので、食堂でランチしました。
水戸駅近くには、居酒屋系、トンカツ・揚げ物系、和菓子屋系などいろんな食堂があります。
その中になんと、椎名誠『にっぽん全国百年食堂』(2013年、講談社)に登場する、百年続く食堂があるじゃないですか!
喜んでそのお店へ向かいました。
水戸駅北口から黄門さん通りを進んで約5分。
奇妙で目立つ「ミナミ食堂」がある小路を入ったところ。
なんと、3階建てのビルを構える、堂々たる食堂です。
「富士食堂」さん。
脇の階段を上った2、3階は宴会用の座敷ですって。
後で出てくるように現在は「ファミリーレストラン 富士食堂」を名乗っていて、チェーンのファミレスが登場するずっと以前からあった元祖ファミレスです。
作り付けのショーウィンドウに料理のサンプルが並ぶ、昭和のレストランスタイルです。
黒板に【本日のおすすめメニュー】の日替わり定食。
和定食:650円、ワラサの刺身、はぜの天ぷら
中華定食:600円、チキンの甘酢和え
洋ランチ:600円、チキンのデミソース和え
どれもお安い料金設定。人気は和定食らしいです。
その後ろのショーケースに日替わり定食の現物が並んでいます。
いいですねぇ。ワクワクしながら、お店に入ります。
入り口を入ると両側にも料理サンプルのショーウィンドウ。
サンプルを眺めるだけでも楽しそうです。
正面の看板に800円と1500円のコース。おっと、夜のコースですね。
酒2本かビール1本につまみがついた、お安い晩酌セットです。
これでキューっとやって、サッと帰る、ってのはいいな。
さて、このお店は食券制。
前金で支払って、食券を持って席に着くシステムです。
食券売り場の上に、メニューが書かれた木札が並んでいます。
和食、洋食、中華が並んでいます。
みつ豆などの喫茶もありますよ。クリームソーダーもあって、まさにファミレスだ。
裏返っている木札が多くある。往年に比べてメニューを絞り込んでいるみたい。
先の椎名誠の本では、100種類のメニューがあると書いている。それはちょっとオーバーだけれども、執筆当時(10年前)に比べてメニュー数は大幅に少なくなっているようです。
さて、オーダーですが、人気は和定食らしい。
でも中華と洋食が得意なのではないかと勝手に決めて、洋ランチをオーダー。
ここのデミソースがどんなものなのか、ちょっとリスキーだけど、試してみたいし。
食券売り場のおばさんにオーダーを伝える。
すると棚から食券を取り出して、渡してくれる・・・
かと思ったら、なんと!
すぐに半分に千切って、半券だけをくれます。
この方式で、どこに座った客が何をオーダーしたのかわかるんだろうか?と驚きます。
いや、もっと驚いたのは、食券売り場にある器械です!w(*゚o゚*)w
古色蒼然たる券箱。
若い人は存知じないと思いますが・・・
かつてデパートの最上階には大食堂があり、そこでは女性の店員さんがオーダーに応じて食券を販売していました。その食券を収納していた箱がこれです。
元々は、鉄道の切符が硬い厚紙(硬券)であった時代に、その切符を収納していた「乗車券箱」とか「乗車券収納箱」と言われる箱です。それを食堂でも使ったのです。
そして硬貨のお釣りを出すレトロな釣銭機。
ボタンを押すと硬貨が出てくる、しかも20円、30円なんてのもボタン1つで出てくる。
ボタンが取れてるけど、しっかり現役ですよ。
半券を持って空いている席に座ります。
店内は4人掛けのテーブルがいっぱい並んでいます。
席に着くと、フロア係りのおばさんがお冷を置いて、食券を確認します。
食券は硬券ではなく、普通の紙です。
かつて、デパートの大食堂でのシステムは・・・
客は食券を持って席に着き、制服姿のウェートレスさんに声をかけ、食券を渡す。
彼女は、券を千切って、半券を客の手元に残し、もう半分には座席番号を書いて配膳口へ行く。そして料理を運んできたウェートレスさんが、客の半券をもらって帰る。
しかしこの店では、食券売り場で券をちぎり、半券を持って席に着くところが違う。
その代わりにフロア係りのおばさんは、配膳しながら、残っている半券をチラ見して、料理の提供具合を確認しています。
お店の厨房は2階にあって、出来上がった料理が3台のエレベーターを使って1階に下されます。
コミックも用意されているので、これを読んで時間をすごせますね。
テーブル上には醤油やソース。そして可愛い犬の容器に入った爪楊枝。
レトロな造花も雰囲気を盛り上げます。o(^▽^)o
オーダーが旨く通らずに、やや時間がたって料理が到着しました。
◆洋ランチ
箸袋には、ほら「ファミリーレストラン富士食堂」と印刷してあります。
割り箸を取り出して、いただきます!(合掌)
まずは、ワカメと豆腐の味噌汁。
味は美味しいんだけど・・・ぬるい。(*´ο`*)=3
具にタマネギが入ってる。しかもほとんど生。
生タマネギは血液サラサラ効果があるから、いいとしましょう。
メイン料理のチキンのデミソース和え。
千切りキャベツじゃなくてゆでモヤシが添えられています。
ナイフとフォークを使ってチキンをカット。
デミソースは小麦粉を入れた感じにまったり。バターの香りがして、意外に美味しい。
田舎者の私にも馴染みやすい味です。
デミソースには、なんと、タマネギやニンジンが入っている。
ソースの味を変えれば、甘酢和えになるんだろな。
馴染みやすい味のデミソースは、ご飯に合います。
ナポリタンがあるのも昭和の洋食ですね。
小皿には切り干し大根。これまた大衆食堂らしい副菜です。
漬物は業務用のタクワンじゃなくて、キャベツの浅漬け。
これ、自家製かな?サッパリしていて、いいですね。
食後にはコーヒーのサービスがあります。
予期していなかったんで、ビックリ!嬉しいサービスです。
これで600円ってのはリーズナブル。さすが大衆食堂だなぁ。
地元民の口に合った味の料理を提供するのが大衆食堂。
グルメが通う美味しいレストランとは全く違う世界に存在するのが大衆食堂。
グルメぶってとやかく言うのはお門違いってもん。
そんな大衆食堂がやっぱり好きです。
ごちそうさまでした。
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