関東の発酵くず餅、茨城でここだけ 名古屋食品@茨城県龍ケ崎市 [ 龍ケ崎市]
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「くず餅」をご存知ですか?
知っている方も多いことでしょうね。
では、日本には2種類の「くず餅」があることをご存知ですか?
ひとつは、クズ(葛)という植物の根からとったデンプン粉「葛粉」から作った葛餅(くずもち)。透き通った外観で、ツルンとした食感です。
もうひとつは、小麦粉デンプン「浮き粉」をから作るくず餅。関東にだけあって、「久寿餅」と書かれたりします。白い色で、柔らかくて弾力がある食感です。
この関東特有の「くず餅」は、亀戸天神社(江東区)、池上本門寺(大田区)、川崎大師(神奈川・川崎市)など関東の門前町の名産品になっています。
そんな「くず餅」が、地元にもあるというので、買い求めました。
場所は「肉の高橋」さんの向かい。
「名古屋食品」さん。大きな看板がないので見つけにくい。
「名古屋食品」のピンクの立て看板が目印です。
引き戸に【くづ餅】【ところてん】【製造直売小売】と書いてあります。
建物脇の看板には【こんにゃく】【しらたき】も書いてあります。
名古屋食品さんは創業130年ほどの老舗。どうも1985年(明治18年)ころの創業らしい。
こんにゃくの製造から始まり、その後、くず餅を製造するようになったそうです。
現在の店主は、こんにゃく製造では5代目、くず餅製造では3代目ですって。
なお名古屋食品さんは会社ではなく、いまも個人営業です。
店名が「名古屋」なのが不思議ですね。
お聞きしたら、こんにゃく製造を始めた初代は、農家だったここに婿養子に来られた方で、その方の出身地が、千葉県の名古屋だったそうです。当初は本名・高橋で営業していましたが、後に出身地の「名古屋」を店名にされたそうです。
現在の成田市、その前の下総町に、名古屋という地名があります。江戸時代には名古屋村で、1889年(明治22年)に合併して小御門村になりました。
初代は、その名古屋村のご出身だったんです。
その名古屋村は成田山から10キロ程度の距離にあります。
さて、この建物の奥で製造しているようですが、直売所はここではありません。
向かって右の門に【入口】の文字。
門の中に入ると【くづ餅・ところてん 製造直売所】の立て札。
右奥の小屋が直売所です。
くづもちは11月~5月の季節限定品。
しかも製造に3日間かかるため量産出来なくて数量限定です。
今回は運よく購入できました。
ところてんも購入しようと思ったけど、品切れでした。
「龍ケ嵜名物 くづ餅」。 税込540円です。
もうお気づきかと思いますけど、ここの製品名は「くず餅」ではなく「くづ餅」。しかも「龍ケ崎」名物ではなく「龍ケ嵜」名物。
面白いですね。なぜそうなっているのか、とても興味がわきます。
それについては、明日の記事で勝手なことを書こうと思います。
品名は「くずもち」です。
原料は、「小麦粉」と書いてありますが、正確には小麦粉ではなく小麦粉デンプンの「浮き粉」です。
黒蜜は、砂糖と水あめが原料で、カラメルで着色したものではない。
くづ餅の原料と製造方法について、すこし詳しくご紹介しましょう。
くづ餅の原料は「浮き粉」と呼ばれる小麦デンプン。小麦粉からグルテンを分離させ、デンプンだけを粉にしたものです。
具体的には、小麦粉に水を加えて練って生地を作り、それを水中で揉んでデンプンを溶かし出す。するとグルテンが残る。残ったものが麩(生麩)です。 他方、水に溶けだしたデンプンを乾燥させて粉にしたものが小麦デンプンの浮き粉です。
その浮き粉を発酵(乳酸発酵)させ、水で洗って臭いを無くし、蒸した和菓子が「くず餅」です。
裏には注意事項が書いてあります。
・冷蔵庫に入れると硬くなって風味が落ちる。
・くづ餅は発酵させた小麦粉澱粉を蒸したものなので、多少の酸味や独特の香りがある。
・酸味や香りはくづ餅本来のもので、きな粉や黒蜜をかけると美味しくいただける。
発酵させた小麦粉デンプンというのは、さっきの説明でお分かりですね。
パックをあけると、黒蜜ときな粉の小袋。
黒蜜の小袋は2個あるけど、きな粉は1個だけです。
そして真空パックされたくづ餅。白っぽいコンニャクみたいです。
くづ餅は日持ちしないため、こうして真空パックしてあるんですね。
パックの中には2枚のくず餅。
薄い板状の餅で、自分で切って食べるんですね。
くず餅を食べやすい大きさに適当に包丁で切ります。
包丁がくず餅にムニューと入って、ブツン!と切れる。弾力のあるお餅です。
一切れがデカイかな。ま、いっか。
黒蜜ときな粉をかけていただきます。
食感は、むにゅーっとしてる。
どこかで食べたことあるような・・・と、思ったら、ういろう(外郎餅)です。
でも名古屋のういろうよりは柔らかい。
これは好き好きがあるかな。
見た目は白っぽくて、ムニュっとした独特の食感の和菓子。
とんちゃんは、意外に好きですよ。
ごちそうさまでした。
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