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53年の歴史に間もなく幕、お疲れさまでした 中華料理こむろ@茨城県阿見町 [ 茨城県]

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阿見町にある食堂が2月14日に閉店する!
ハックルベリー・フィンさんから食べログで情報をいただきました。
それで翌日、急いでお店へ向かいました。

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「中華料理 こむろ」さん。
このお店は平成元年から。それ以前を含めて53年間にわたって営業されてきたそうです。

弊ブログで記事にしたのは3年ほど前のこと。
前回の記事⇒ラーメン旨し、そして茶色い炒飯に魅了された中華食堂

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店内はテーブル席が6卓。
赤いデコラのテーブルにパイプ椅子という昭和の大衆食堂の定番スタイルです。

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座敷には座卓が4卓あります。

店内は古いけれども、掃除が行き届いて清潔です。

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厨房ではご高齢のご主人が調理をされています。

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その脇にありました。
【閉店のお知らせ】
2月14日(火)で閉店される、という案内です。

53年間にわたって営業を続けられ、ついに閉店される。。。

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低価格で美味しい料理を提供する家族経営の昭和の食堂は、次々に店を閉めています。
そんな食堂に、絶滅危惧種の食堂という意味で「絶滅食堂」と名付けたのは、なぎら健壱さんです。

絶滅食堂で逢いましょう―なぎら健壱が行く東京の酒場・食堂・喫茶店

絶滅食堂で逢いましょう
―なぎら健壱が行く東京の酒場・食堂・喫茶店

  • 作者: なぎら 健壱
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: 単行本

ここにもまた1つ、食堂の命が絶えんとしています。
それを目の前にして胸の奥が熱くなってきます。

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席に着くと温かいお茶と冷たいお水が出されます。
両方出してくれるというサービスが、母のような思いやりです。

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メニューは中華料理中心の大衆中華食堂。
中華だけでなく、カレーライスやオムライスの洋食もある、町中華のタイプです。

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小さなプレートには、一品料理+ライスの定食セットが書いてある。

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ラーメン&半チャーハン、ラーメン&ライスなどの定番セットのメニューも書いてある。

前回はド定番のラーメン&半チャーハンのセットをいただきました。それが大当たりに美味しかった
今回は、通常なら別のメニューをいただくのですが、全く同じメニューにしました。

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◆ラーメン・半チャーハン
大衆中華におけるテッパンメニューの1つです。

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箸立から割り箸を取って、では、いただきます!(合掌)

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ラーメンには、チャーシュー、メンマ、ワカメ、焼き海苔、ナルト、そしてネギがトッピング。

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透明感のある醤油味のスープは、サッパリしているけれど、旨味が深い。
鶏と豚がベースで野菜や昆布の旨みでしょうか。実にうまいスープです。

そのスープの旨さが心に染みます。

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中細麺は、シコシコじゃない、もっちりした食感で、懐かしい。
ラーメン店とは違う、大衆中華のやさしさです。
これがもう食べられないのか・・・。
そう思いながら麺を噛んでいると目頭が熱くなってきました。

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チャーシューは醤油の味が浸みている。
この煮込みダレがスープのタレになってるんですね。

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メンマは柔らかくて薄味。やさしいんだよな。

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渦巻のナルト。古典的です。

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わかめのシャッキリ感。

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頼りなく崩れてしまう海苔。

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半炒飯は色が濃いめ。
以前はもっと油が多くてしっとしした感じでしたけど、今日はややパサッとした感じ。

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でも味は同じ。
ラーメン用のタレを加えて炒めた、コクのあるチャーハンです。

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具材がチャーシューとナルトというのも変わってません。
実に美味しいチャーハンです。

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今回は器の絵をじっくり眺めてみました。
チャーハンの皿には4本爪の赤龍が描かれています。
絵がだいぶん消えていますが、尾が右上で、左に頭があります。

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ラーメン丼には3本爪の青龍の絵。丼の底の龍は、右に頭があります。
これももう使われなくなるんだなぁ・・・。

龍の絵について。
皿の赤龍は爪が4本、丼の青龍は爪が3本あります。
龍は天帝の使者を表し、中国では古くから崇められてきました。元の時代に5本爪の龍は皇帝しか使えず、皇帝以外の者は4本、3本の龍を用いるようになりました。日本では室町以降に3本爪が普通になったそうです。
だから3本爪の丼は日本の定則によるもの、4本爪の皿は中国の様式に沿ったもの、ということになりそうです。


会計をするときに少しだけお話。
「長い間お疲れさまでした。ごちそうさまでした。」とお礼してお別れです。

食堂がひとつの生涯を終えるのは、多くの人たちに愛されつつ人生を全うした人と同じく、安らかな最期を静かに看取ってあげたい。しかし残された者には、その人や食堂にもう二度と会うことができなくなることがとても悲しい。
食堂が人と違うのは、店を継ぐというかたちで、その味や心が生き続けられることなのですが・・・。
店を出ると本当に涙があふれて来ました。

ごちそうさまでした。

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