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遠藤哲夫氏の『大衆食堂パラダイス!』を読む(3):後半 [食文化]

大衆食に関する書籍として遠藤哲夫氏の『大衆食堂パラダイス!』(2011年年、ちくま文庫)という本を紹介しています。

本書は著者遠藤氏の「おれの大衆食堂物語」であり、「昭和30年代にして1960年代の大衆食堂」の片鱗を留めている食堂が著者の「大衆食堂パラダイス」です。
一人称で語られる大衆食堂への熱い思いは、この本を読むとズンズンと感じます。

全編がこれ「おれの大衆食堂物語」のエッセーなのですが、その中から大衆食堂と大衆食に関する著者の考えを読み取ってみようと思います。

一昨日は本書のテーマをまとめました。
昨日はその内容の前半、今日はその後半部分を記事にします。

大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)

大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)

  • 作者: 遠藤 哲夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: 文庫

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遠藤哲夫氏の『大衆食堂パラダイス!』を読む(2):前半 [食文化]

大衆食に関する書籍として遠藤哲夫氏の『大衆食堂パラダイス!』(2011年年、ちくま文庫)という本を紹介しています。

本書は著者遠藤氏の「おれの大衆食堂物語」であり、「昭和30年代にして1960年代の大衆食堂」の片鱗を留めている食堂が著者の「大衆食堂パラダイス」です。
一人称で語られる大衆食堂への熱い思いは、この本を読むとズンズンと感じます。

全編がこれ「おれの大衆食堂物語」のエッセーなのですが、その中から大衆食堂と大衆食に関する著者の考えを読み取ってみようと思います。

昨日は本書のテーマをまとめました。
今日はその内容を書きますけど、長くなるので前半部分を記事にします。

大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)

大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)

  • 作者: 遠藤 哲夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: 文庫

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遠藤哲夫氏の『大衆食堂パラダイス!』を読む(1):テーマ [食文化]

弊ブログには食堂がときどき登場します。最近は食堂を探して食べに行っています。
食堂の料理は大衆食で、地元密着型の食ってところが好きなんです。
そしてその両方、大衆食と地元食は庶民、地方の文化だと思っています。

でもそんな食堂はどんどん無くなっています。これでいいんだろうか・・・
食堂で、ただ食べているだけじゃ能がないので、大衆食に関する書籍をボチボチと読んでいるんです。
カッコつけると文化を理解するために。
そんな本を弊ブログでもときどき紹介しようかと思います。

ということで今回はその第1回。

『大衆めし 激動の戦後史:「いいモノ」食ってりゃ幸せか?』(2013年、ちくま新書)という本が昨年出ました。著者はエンテツこと遠藤哲夫氏。
この本は「大衆めし」=大衆食と大衆食堂のことを書いてあって、まさにピッタリのテーマです。

ところでこの著者は以前、『大衆食堂の研究』(1995年、三一書房)という、実に大それた書名の本を出しているんです。
まぁ実際のところは「研究」って類の本ではないのですが、しかしかなり面白い本なんです。
そしてその続編として『大衆食堂パラダイス!』(2011年、ちくま文庫)という本も出されています。

順序からすると古い方から先に、ということなのですが、「研究」よりも「パラダイス!」の方がまとまりが良いから、そっちスタートしようと思います。

ということで『大衆食堂パラダイス!』を取り上げて、今回はそのテーマについて検討してみます。
次回は、この本の内容を紹介します。

大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)

大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)

  • 作者: 遠藤 哲夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: 文庫

 

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「代用コーヒー」と「純喫茶」 連続テレビ小説「ごちそうさん」で [食文化]

NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」。大変な人気のようですね。
かく言うとんちゃんも欠かさず見ています。

先週は「贅沢(ぜいたく)はステーキだ」というテーマでした。
昭和15年(1940年)の大阪、食糧事情が悪化します。
そんな中で主人公・め以子がステーキをご近所に振る舞いました。
「贅沢は敵だ」という大日本国防婦人会のオバサンに、義母・静は「贅沢は素敵だ」と柔らかく切り返しました。

そのステーキの話題じゃなくて、とんちゃんの目に止まったのは「代用コーヒー」のこと。

金持ちの道楽息子、高木馬介が営む「うま介」という喫茶店で、コーヒーの代用品を飲むシーンが出てきます。
京都帝大の教授となった竹元有三がアドバイスして、タンポポの根を煎ってコーヒーにしてみます。
しかしこれが全く不味い。
そこで改良を重ねて、飲めるものになったようなのです。

タンポポの根からコーヒー?

驚かれるかと思いますが、あるんですよ。
19世紀にアメリカで考案され、第二次世界大戦中にはドイツで広く飲まれた。
wikipediaに「たんぽぽコーヒー」という項目があります。


実際のところ日本でも、太平洋戦争中はコーヒー豆がなくて、別の物を使った「代用コーヒー」なるものが飲まれたそうです。
wikipediaの「コーヒー」に「代用コーヒー」の説明があります。
「代用コーヒーの原料としてはタンポポの根、ゴボウ、ジャガイモ、サツマイモ、百合根、サクラの根、カボチャの種、ブドウの種、ピーナッツ、大豆、ドングリ、アーモンド、オオムギ、トウモロコシ、チコリ、玄米、根セロリ、パンの耳、綿の種子、オクラの種子など。これらはたいてい煎ったものを粉末にし、お湯を注いで飲んだ。」

さて、以上は前振りなんです。

その「代用コーヒー」に関わって、「純喫茶」のウンチクを会社で言ったんですよ。

太平洋戦争中にコーヒー豆がなくて喫茶店では代用コーヒーを出していた。
そんな中、コーヒー100%の純粋なコーヒーを出す店が「純喫茶」の看板を掲げた。


この話しは、かつて本か何かで読んだんだろうと思います。

ところが「純喫茶」について、wikipedia「日本における喫茶店の歴史」に全く違う説明があるんです。

日本の喫茶店は「カフェー」という名で明治時代から広まった。
ところがそのカフェーが、コーヒー・軽食主体の店だけでなく、女性給仕(ウェイトレス)のサービスを主体とするが増え、後者は酒を提供しバーやキャバレーのような風俗業になっていった。
それで昭和に入って国が規制を出して、後者の「特殊喫茶」「特殊飲食店」を風俗営業として規制し、警察の監視下に入った。
それに対して前者のお店を「純喫茶」「喫茶店」と呼ぶようになった。


こちらの説明の方が正しいみたいだなぁ。
ウンチクを訂正しなければいけません。


 
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大晦日にはおせちを!(大晦日その2) [食文化]

とんちゃんは道産子です。その道産子の大晦日について。

大晦日の夜は紅白歌合戦を観て、年越し蕎麦をしめやかにいただく・・。
これが関東の大晦日ですよね。関西ではうどんかな?

でも北海道人にとって、そんな大晦日なんて、ありえませーん!

紅白歌合戦はもちろん「あり」です。
でも年越し蕎麦で・・・は「ありえない!」なのです。

じゃぁ、どんな大晦日なんだ!
・・・ってのを今年2013年の元日の記事にしました。

北海道では大晦日におせちをいただく!

この事実は、テレビで紹介されたこともあって、いまでは全国に知られるようになった事実かも。

おせちと言えば元日からいただくのが普通?
しかし北海道の大晦日には、なんとそのおせち料理を開いて、しかもお寿司をつまみながら酒を飲み交わす。
大宴会こそが北海道の普通の大晦日です。

とんちゃんの実家でも、おせちを食べながら、とても暖かい(暑い)部屋で冷たいビールをいただく。
ビールは・・・もちろんサッポロです!

ところで、その大晦日におせちを食べるというのは北海道の非常に奇異な風習のように見られています。

しかしその風習は東北にもあるようです。
いや、それどころか、
大晦日におせちを食べるのが本来の風習で、
元旦におせちを食べるという風習の方が新しいのだ、と言ったら驚かれるでしょうか。

この見解を明確に紹介する記事がありました。

北海道に生きる江戸風習《おせちの謎!完結:
http://www.burat.jp/members/blog/entry_disp.200609201200-0010002.200609231119-3000001.200712301015-3000022

現在の暦は太陽暦です。
しかしこれは明治になってから採用されたもの。
それ以前の暦は太陰暦でした。

その太陰暦で重要なポイントは・・・

太陰暦では、太陽が沈むところから次の一日が始まる

そうすると・・・
大晦日は、明るいうちは旧年だけれども、日が沈むと正月の始まりってことになるのです。
日が沈んでからの夕食時にはもう新年なっているんです。
だから大晦日の夕食には、年神様(正月の神様)を迎える祝いの料理をいただく
これが江戸時代の風習だったそうです。

大晦日におせちを食べるのは、古くから伝わる日本の風習だったんです。

そうとわかれば、その風習を守るために、みなさん大晦日には盛大に宴会をしましょう !

そう、皆様にもお誘いします。

では、よいお年を。


 
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「えびめし」と「インデイラ」の由来 [食文化]

前回、岡山市のB級グルメ「えびめし」を紹介しました。
その「えびめし」のルーツ(発祥店)について、今回はご紹介します。

wikipediaによると「一説によるとルーツは東京渋谷のカレー店「いんでいら」のメニュー」とあります。
しかし、これは「一説」じゃなくて事実です。

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もみじ饅頭の元祖は?あくまでも推測 [食文化]

安芸の宮島でのこと。

広島のお菓子というと、いまでは「もみじ饅頭」が有名ですね。

B&Bというお笑いコンビで、広島市出身の島田洋七が「もみじまんじゅうー!」というギャグを使ったせいで全国的に有名になった。
えっ?そんな芸人知らない?
1980年代初めのことだもんなぁ。
『佐賀のがばいばあちゃん』の著者ですが・・。
まぁ知らなくてもいいです。(笑)

もみじ饅頭というと、にしき堂が有名なのかな。
そのお店は広島市で1951年に創業したお店で、もみじ饅頭製造は1953年から。
老舗そうに思えますけど、実は新参者なんです。

もみじ饅頭」は、本来は宮島のお菓子で、しかも明治時代からあるという、歴史のあるお菓子なのです。

宮島に行くと、もみじ饅頭を売っているお店がいっぱいあります。
じゃぁいったい、「もみじ饅頭」の元祖はどのお店なのか?
「元祖」捜しが好きなとんちゃんは、そう思ってしまう。

しかし「元祖」というと、いろんなところで元祖争いがつきもの。
「もみじ饅頭」にもそういうのって、ないんだろうか?なんて。

先日アップしたように、厳島神社に至る表参道商店街にある「紅葉堂」さんで揚げもみじをいただきました

その「紅葉堂」の看板には「元祖もみじ饅頭」としっかり書いてある。
創業明治45年のこのお店が、もみじ饅頭の「元祖」なんでしょうか?
もしかして、元祖論争があったりしてね。

なんて思いながら向かいの店を見ると、な、なんと!

向かいにあるお店「博多屋」にも「元祖もみじ饅頭」の看板が!

早速ありましたよ、元祖争い!
もみじ饅頭の元祖はどっちなんでしょうね?

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酒好きには面白いぞ \(^0^)/ 食と農の博物館@世田谷 [食文化]

ランチタイムにコーヒーをいただいた「カフェ プチ・ラディッシュ」さん。
「「食と農」の博物館」の中にあるお店です。

せっかくなので、博物館の中を見学しました。

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部屋のみ日本酒は大七純米生酛 その「生酛」って・・・ [食文化]

三宅島に行きました。

ホテルのレストランで食事をいただいて、部屋でゆっくりと日本酒をいただくことにしました。

Wさんが、遠路はるばる船で運んできた日本酒は・・・

「大七」の純米生酛(きもと)。

三宅島とは、縁(えん)も所縁(ゆかり)もありませんけど・・。

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タグ:日本酒
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韓国海苔巻き解体新書 [食文化]

お昼どきのこと。

「とんちゃんさん、海苔巻きお好きですか?」
韓国人の李さん(女性)が声をかけてきました。
「えっ?海苔巻き?大すきですよ。」
「これ作ってきたんですけど、余っているので食べてもらえますか?」

 

と言って出したのは、太巻きの海苔巻き。

「韓国の海苔巻き、食べられますか?」
「とんちゃんは、甘い物以外で食べられないものなんて、ない!んです。
まして海苔巻きなんて、とんちゃん、子どものときからとっても大好きです!」

太巻きって、とっても懐かしいんですよ。
小学校のとき、運動会になると母親が海苔巻きといなり寿司をいっぱいつくってくれて、家族で食べたんです。
太巻きを食べる度に、郷愁がよみがえってくる、そんなソウルフードなんです。
韓国のソウルじゃなくって、魂のソウルですよ。(^o^)
なんてことを彼女に話して・・

「これ、ホントにいただいて、いいんですか?」
「もちろんです、どうぞ。」

「これって、李さんが作ったんですか?」
「はい!」

美人の李さんがニコッと微笑んでいます。
きゃぁ!美人お手製の海苔巻きですって!
こんな嬉しいことはないですよ!(おっと、セクハラかな?)

「ありがとう!いただきます!」
太巻きをありがたくいただきました。

ということで、今日のランチは韓国海苔巻きです。
韓国の海苔巻きはキンパッ(プ)といいます。

太巻きの海苔巻きの中には、いろんな具材が詰まっています。
上手に巻けていますね。李さんは料理が上手なんだな。

1つつまんで、ほおばる・・・・・う、うんまい!

ん?ちょっと独特の香りがしますよ。
これは・・・あっ!エゴマの葉だな?

韓国の太巻きにの中にはいったい何が入っているのかな。

海苔巻きって、日本が韓国併合(韓国植民地化)時代に、日本から韓国に伝わった食文化なんです。
それが韓国流に定着しているわけだけど、はて日本とはどう違うのか?
確かめてみたくなりました。

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